201725日(日)

 

 

 ~ 会長挨拶 ~
白田講師から県内の山岳遭難の実態例を説明していただきますが、
個人で山遭隊のお世話になった方が当会でもおります。
そうならないようにどうするか、各人自分で考えてほしいと思います。

 

 

                                                           ~ 主な講演要旨 ~
(1) 山岳遭難の現状
・ 28年中の県内における山岳遭難は、72件76名で死者8名、行方不明1名であり、春の山菜採りや秋のキノコ採りによるものが約9割を占める。
・ 捜索環境は昔と比べ、通信手段が大きく変わったことや装備資器材が格段に改良されている。
・ 遭難統計は、警察に遭難届が出されて捜索活動が行われた場合であり、警察に届けがなく家族等が捜して発見した場合や自力下山した場合は統計に入らなく、遭難者はもっと多くなると思う。

(2) 救助組織
・ 公的機関として、各警察署地域課が担当する遭難救助隊を編成し、救助訓練をしている。県では、山岳遭難対策委員会を設置、自衛隊・消防等と訓練を実施、各市町村でも山遭隊を設置している。
・ ヘリは、がっさん(県警察)、もがみ(県)が配備され救助活動を行っているが無料である。但し、民間のヘリを要請すれば飛行経費は60分で約100万円かかる。
・ 民間救助隊として、市町村単位に山岳遭難救助隊が設置されているが、過疎化や高齢化などにより隊員の確保に苦慮している。また、ヘリによる捜索頻度が多くなっており、公的機関を含めてヘリを頼りにして救助技術レベルの向上が課題となっている。

(3) 登山届の重要性
・ 登山届は登山のマナーであり、届けにより責任が生まれ、届け出による遭難事案は極めて少ない。
・ 登山届とともに、行く先、行程、単独か同行者の有無などを家族に伝えておくことが大切である。

(4) 単独行とグループ登山のメリット、デメリット
・ 単独行は、登山計画や休憩など自由であるが、一人のため遭難した場合死亡率が高くなる。
・ グループ登山は、体調不良者や負傷者が出た場合、仲間が助けることができる反面、他人任せと 
  なり、おんぶにダッコとなる傾向がある。

 

 

 

当日は、50人の受講者が参加しました。当会の公安委員長の人望ですね。

 

 

 

 


                                                                       ~ 感想 ~

  講師は、いつも最後尾で隊全体を見守り、体調不良や怪我人が出たら率先して介助や手当てをしてくれる頼もしい存在の白田幹事です。県警OBで遭難事案の多い警察署や本部執行隊の幹部を歴任され、豊富な知識と高度な技術で厳しく困難な遭難現場を指揮し、多くの命を救った山岳遭難救助のエキスパートです。
  役員ご夫婦を遭難事例に見立てユーモア溢れる講義に会場は大爆笑、遭難救助体験談の迫力ある内容に会員一同聞き入った。山登りのルールやマナーを守り、自分の体力や技術をわきまえ仲間に迷惑をかけないことを肝に銘じ、安全で楽しい登山をすることの大切さを再確認した学習会であった。(感謝)

 

 

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