2月2日(日)
学習会 



2024年度 山形市民登山愛好会 学習会
日時 2025年2月2日(土)10:00〜12:10
場所 山形市総合学習センター3階 多目的研修室
講師 八幡山岳会会長 安曽 清治 氏
テーマ 『危急時対応講習会  行動中の安全管理』について
参加者 38名





古沢副会長の司会で清水会長よりあいさつ、講師紹介。
講師の阿曽清治さんは ヒマラヤ・ヤラシャンポ初登頂、スイスアルプス氷河縦走をはじめとし
た多くの国際的な山々への登山経験をお持ちです。登山ガイド歴35年で、
酒田市山岳遭難対策
委員会八幡山岳捜索救助隊隊長としての要職を担われており、 現在も鳥海山湯の台コースを
中心に登山ガイドを行っておられます





 
行動中の安全管理について
様態別山岳遭難者数では、道迷いが最も多く、次に滑落、転倒、病気と続いて
いる。事故を起こさないための考え方として、「ハインリッヒの法則」が知られており、
一件の重大事故には29件の軽微な事故や災害、300のヒヤリハットが潜んでいると
のこと。重大事故を減らすにはヒヤリハットを減らす努力が重要である。

 


事故を発生させない為には危険箇所の発見、こまめな告知、声掛け、指示、
適切なペース配分が必要。また、足が攣った際には、68番を飲むことが定番に
なっているが、行動中はあまりお勧めは出来ないとのこと。
副作用としてふらつきがあるため。小屋に着いた際や、昼食休憩の時には飲んでも
良いが、あとは下山してから飲んだ方が良いと。攣った際に一番良いのは「塩」とのこと。
また休憩の取り方はこまめな休憩よりは50分歩いて10分休憩が最も良い。
スイスなどヨーロッパでは2時間ゆっくり歩いて15分休むのが一般的とのこと。

体力面では20歳は100%とすると全身持久力で60歳代では約60%、70歳代50%まで
低下する。その他の敏捷性、柔軟性、筋脚力もかなり低するが、平衡性は特に低下
が目立ち、60歳代では30%、70歳代では20%までに低下するとのこと。高齢者の
心的・生理的疲労の特徴として、高齢者は。気持ちで持たせてしまう、周りへの忖度
が大きい、衰えを信じたくない気持ちが強いなどが見られる。

  


行動中の安全管理として常に観測、感じることを大切に。行動決定するのは常に
リーダーであるのでリーダーは不用意に同行者からの情報を鵜呑みにすることなく
総合的に判断すること。
準備計画から始まる安全管理では、山行の山域の気象・地形・生態系の特性を
理解し、現地の最新の情報を把握すること。装備は毎回点検し非常食などが
入れっぱなしになってないか、安全確保の装備は整っているかに留意。

 



事故に合った際の初期対応では、3原則として、①冷静に処理する客観性、
②現場状況を正確に把握できる知識、
③応急手当ができる技術が必要。
民間のヘリコプター搬送「ココヘリ」などの入会も検討する。
負傷者が出た際には「危急時通報シート」などもメモを利用することで、
スムーズに報告できる。遭難現場にヘリコプターが到着しても直径5メートル四方
の広さが必要である。遭難信号として昼間は鏡、レスキュースモーク、
ストロボライトなどが効果的。

     
  


   
   
   
    


   

   
    ココヘリで場所を特定して早くピックアップできる。
    ザックにレスキュースモーク、煙が上がって、場所を知らせる。

    

 
    
その後、ツェルトを使った避難・体温確保の方法や各種ザイル、ザック等など少し
体験させてもらいました。たくさんお持ち頂いたのに、残念ながら時間が来てしま
いました。高齢者の多い、当会にとって、有意義な内容で、心残りいっぱいでしたが、
是非是非次の機会に期待したいです。
ご参加の皆さん、お疲れさまでした。

 

  たくさんの安全を守る装備品   レスキューシートに包んで搬送


  

  
   遭難時、ツエルト広げて入る。5人分ぐらいのシェルターに
      早変わり。寒さ、低体温症防ぐ






   2023年(R5)度の学習会は こちら

    2022年(R4)度の学習会は こちら

   

 

 

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